仕事のなやみ

逃げたいもの別|仕事から逃げてもいいとき・逃げない方がいいとき

            

この記事はこんな方におすすめです。

          

あなた

会社や仕事から逃げたい。でも甘えによる逃亡はしたくない。今の自分は逃げてもいい時なのか?あるいは逃げない方がいい時なのか?客観的な判断基準がほしい。

                            

こういった方に、以下の内容をご紹介していきます。

                                    

私はこれまで10年以上の会社生活や、数度の転職を経験する中で、何度も「辞めたい。」「でも...逃げてないか?」という葛藤を繰り返してきました。その中で自分なりにみつけた、逃げても良い時・逃げない方が良い時の見分け方についてシェアしていきたいと思います。お役に立てれば嬉しいです。

                            

結論:何から逃げようとしているか?から考える

                             

そもそも、「自分は逃げていないだろうか?」という問いには、「逃げることは悪」という前提があるように思います。でも、逃げること自体は悪いことではありません。単なる嫌なことや苦手なことからの逃亡の場合は、嫌なことや苦手なことに遭遇する度に逃げることになるためなるべく避けた方が良いですが、前進するための戦略的逃亡であれば積極的に活用することでより良い人生を手に入れることができるからです。

「逃げたい・・・」と感じている自分の本音が、「単なる逃げ」なのか「前進するための戦略的逃亡」なのかを明らかにすることが大切です。それは「何から逃げようとしているか?」から考えることで明らかにすることができます。

では、今自分が逃げようとしているものがなんなのか。考えられるものを大別してみました。下記の3つです。

                        

  • 「レベルの不一致」から逃げたい場合
  • 「相性の不一致」から逃げたい場合
  • 「危険」から逃げたい場合
  • 番外編:逃げたくないとき

                    

以下にひとつずつご説明していきます。

                    

「レベルの不一致」から逃げたい場合

                  

仕事内容や環境のレベルが低すぎる、あるいは高すぎるストレスや機会損失から逃げたい場合です。この場合の結論はこちらです。

成果を見出すまでは、逃げない方が良い。

                   

理由は、「仕事内容や環境のレベルが低すぎる、あるいは高すぎることによるストレスや機会損失をしている状況」は、今逃げたとしてもまたいずれぶつかる課題だからです。人生は、会社以外にも様々なコミュニティに属すことの連続です。転職などをして、所属するコミュニティを変えることで、快適な居場所を見つける方法もありますが、早いうちに自分にフィットする環境が見つかる保証はありません。また同じ課題にぶちあたる可能性は多分にあります。

所属するコミュニティを変えるよりも、自分の能力をレベルアップさせたり、あるいは、周囲をレベルアップさせる能力を身に着け、自分で状況を変える力を身に着けておいたほうが、環境に影響されない快適な居場所を得ることができます。そうすることで得た、困難や挫折に立ち向かった経験やそれによって得た成果は、今後の人生を歩む上での強い自信になり、転職の際の有効なアピール材料にもなります。

              

成果を見出す方法の具体例はこちらです。

                  

仕事内容や環境のレベルが高すぎる場合

状況例
・目標が高すぎて、達成なんて無理
・仕事内容のレベルが高すぎてつらい
・周りが優秀すぎて、自分の能力のなさに落ち込む
・部下が優秀すぎて、上司として立場がない
・自分の事業だけ営業成績が低くて会社のお荷物状態
・顧客からの課題、難易度が高すぎ

成果を見出す方法
・空き時間に勉強する
・成果を上げている人から学ぶ
・自分の所属する事業やグループの営業成績をあげるために、プロセス改善、役割分担の提案をする
・顧客の課題にこたえられる商品やサービスを会社に提案する

             

仕事内容や環境のレベルが低すぎる場合

状況例
・仕事が簡単すぎて眠い、退屈
・愚痴や悪口の絶えない環境
・思考停止で目の前の作業をこなす社員ばかり
・取引先への態度がぞんざいな社員が多い
・同僚にも上司にも上昇志向がない
・残業が常態化していて効率という概念がない

成果を見出す方法
・簡単すぎる仕事を自動化し、より事業価値をあげるための仕組みを会社に提案する
・目標設定の仕組みについて改善提案をする
・市場環境の調査を行い、経営のリスクや脅威を社内に共有する
・上司や役員、社長など、「営業成績をアップする」「事業を拡大する」などのミッションを持っている人に改善提案をする

                   

「相性の不一致」から逃げたい場合

                       

具体的には、仕事内容や社風などの環境があっていないことによるストレスや機会損失から逃げたい場合です。この場合の結論はこちらです。

逃げても良い場合・逃げない方が良い場合、両方ある

                       

結論をわけるポイントは、「自分と相性の異なる仕事や環境での経験が、今後の自分の成長に生かせるかどうか」です。

                        

自分と相性の異なる仕事や環境での経験が、今後の自分の成長に「生かせない」場合

例えば、相性が異なる仕事内容や環境に身をおくことで、モチベーションが低下し、自信を喪失し、どうにも自分の力ではなんとかしきれないという状況の場合です。この場合は、思い切って転職してしまった方がいいでしょう。成長の基盤となるモチベーションや自信が粉々に砕けた状況では、挽回できる見込みは薄いからです。ちなみに、「相性の合う環境がここじゃないどこかにある」という希望的観測は捨てることをおすすめします。うまくいかなかったときに、「自分と相性が合わないからだ」という言い訳をして逃げ続けることになるからです。相性が合わないと思いつつも、ものにするまでモチベーションを維持し、根気強く向き合えた結果として、本当に相性の合う仕事や環境が見いだせるのだと思います。

                   

自分と相性の異なる仕事や環境での経験が、今後の自分の成長に「生かせる」場合

自分と相性の合う仕事内容や環境に身を置いたほうが、自然とモチベーションも維持でき、態度には自信があふれ、作業もスムーズに進められるため、評価も受けやすく物事がスムーズに進みやすいとは思います。ですが、相性が合わない仕事や環境に向き合うことにも大きなメリットがあります。相性が異なっていても、「今後の自分の糧にできる」と考えるならば、まずは逃げないで根気強く取り組んでみるといいでしょう。私もこのパターンで、静かに一人で作業をするのが好きな性格にもかかわらず、体育会系の社風の会社で、プロジェクトチームを組んでみんなで仕事を仕上げていくスタイルの仕事に挑戦しました。正直とてもつらかったですが、自分と異なる方の性質や考え方を理解し歩み寄る経験は、新しい視野や気づきを与えてくれました。この経験によって獲得したスタンスは、仕事をする上での基盤となり、自分の成長ステージをあげるためにとても役立ちましたし、大きな自信になりました

                           

「危険」から逃げたい場合

                               

具体的には、鬱病や体調の悪化、ハラスメントなどがある場合です。この場合の結論はこちらです。

即刻、逃げてください

                        

以下に理由をご説明していきます。

                

鬱病や体調の悪化

この場合は、「逃げ」ではなく「身の安全の確保」なので、一切遠慮することなく一目散に逃げてほしいと思います。私は、これまで仕事で体調を崩した人にたくさん会ってきましたが、良ければ数か月の休職で済みますが、ずっと病気が治らずに生活に制限を抱えたり、何年も薬を飲み続ける方はとても多いです。健康を害しては、今後のキャリア形成や家族の世話など、あなたが人生で最も大切にしたいことに100%の力が使えなくなってしまいます。取り返しのつかないことにならないよう、今は自分の体を最優先に考えてください。

                    

ハラスメント

ハラスメントを行う人は論外なので、いち早く距離を置くことをおすすめします。しかし、ハラスメントを行う人のためにあなたが退職に追い込まれるのは妥当ではないので、できればハラスメントそのものを排除する方向で動くといいでしょう。被害内容を記録し、それを持って上司や人事部に相談します。昨今、パワハラやそれに関する相談件数が増加したことにより、パワハラ防止法(正式名称/労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(略称:労働施策総合推進法))が、大企業は2020年6月より、中小企業は2022年4月より施工されます。法が整備されることによって、ハラスメント発生を経営のリスクと重くとらえ、対策を強化する企業も増えています。会社に言ってもまともに取り合わない、解決しない場合は、厚労省の労働相談や労働局へ通報など外部機関から働きかける方法もとることができます。

                   

番外編:逃げたくないとき

                     

こちらは番外編ですが、「逃げたくない!」と強く思っている場合。具体的な状況としては、今の仕事にやりがいもあり、立場も定着し、何事もスムーズにうまく物事が運んでいるという場合です。この場合の結論はこちらです。

今の場所からはそろそろ逃げどきかもしれません

                     

逃げたくない!と強く思えるほど、自分の能力を活かし、周囲に認められ頼られるところまでたどり着いたということは、本当に素晴らしくご立派なことだと思います。しかし、別の方向から考えてみると、そろそろ「挑戦や変化」が乏しくなっている状況とも言えるかもしれません。ある程度経験を積んで、スキルも向上して、役職に就くなど役割が定着して、社内での評価や周囲からの認知度も上がってくると、鶴の一声のように否応なしに全員を従わせてしまう状況ができてきます。何を言っているかや、何を行っているかではなく、誰が言っているかというだけで物事が進む状況は、とても快適だと思います。ですが、小さなコミュニティの中で議論の余地なく自分の意思が通ってしまう状況は、一方で成長を阻害する危うい状況とも言えます

「ゆでガエル理論」をご存じでしょうか。「カエルはいきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて、徐々に温めていくと気づかないうちに死んでしまう」という説から、ゆっくりと進む環境の変化に気づかず、既に得た状況に甘んじている間に、いつの間にかスキルや知識が陳腐化し、ポジションを失ってしまうといった、環境変化への対応の難しさや大切さを説く言葉として語られています。

暖かいお湯につかって快適に過ごしている間に、環境変化に置いていかれてしまっていた!ということにならないよう、「逃げたくない!」と強く思う時は、「挑戦や変化から逃げていないかな?」と、少し立ち止まって考えてみるといいかもしれません。

                         

まとめ

                             

最後にまとめていきます。

                  

結論:何から逃げようとしているか?から考える。

  • 「レベルの不一致」から逃げたい場合
    ⇒成果を見出すまでは、逃げない方が良い
  • 「相性の不一致」から逃げたい場合
    ⇒相性の異なる仕事や環境での経験が、今後の自分の成長に「生かせない」場合は逃げる
    ⇒相性の異なる仕事や環境での経験が、今後の自分の成長に「生かせる」場合は逃げない
  • 「危険」から逃げたい場合
    ⇒即刻逃げてください
  • 番外編:逃げたくないとき
    ⇒今の場所からはそろそろ逃げどきかもしれません。「挑戦や変化」から逃げていないか立ち止まって考えてみる

                  

以上で、逃げても良い時・逃げない方が良い時についてまとめてみました。

「逃げる」「逃げない」、いずれの判断をしたとしても、一番後悔のない判断は、自分の理想の姿や生活にたどり着くためや、前進するために、役立つ選択をしたかどうかということだと思います。あなたがベストな選択をできますように。この記事が少しでもお役にたてていれば嬉しいです。お読みいただきありがとうございました。

                       

                                    

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