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【イラスト図解】ブランディングとは?|5つの要点でさくっと理解

あなた

「ブランド力を高めたい。概念的で専門的な説明ではなく、わかりやすく説明してほしい。」

こういった方向けの記事です。

 

私は約10年ほど様々な規模の企業様向けに、ブランド構築支援を行ってきました。この記事では、約10年の蓄積の個人的なおさらいの意味も含めて、これまで学んだことをわかりやすくかみくだいてシェアしていきたいと思います。

 

では早速進めていきます。

 

ブランディングとは?

 

お客さんが商品やサービスを思い浮かべたときに、真っ先に企業やブランドの名前を思い出す状態を作ることです。
※専門用語では、「第一想起」と呼びます。

いくつか具体例をあげます。

具体例

  • カフェと言えば?→スターバックスコーヒー、ドトールコーヒー
  • 就職支援サービスと言えば?→リクルート、マイナビ
  • 生活雑貨と言えば?→無印良品、ニトリ
  • 車と言えば?→ホンダ、スズキ、ベンツ
  • アウトドアと言えば?→スノーピーク、ノースフェース

 

このように、消費者が商品やサービスを思い浮かべた時に真っ先に思い出される企業やブランドは「ブランディングができている」と言えます。

 

第一想起される企業やブランドは、自然と利用率や利用頻度が高くなります。これが、ビジネスにおいてブランディングが重視される所以です。

  

こう聞くと、「ブランディングというのは、第一想起してくれる人を増やす活動なのか~」と思う方がいるかもしれません。ですが、この解釈はちょっと本質的ではありません。

 

ブランディングの本質は、信頼と愛着

ブランディングの本質は、「自社や自社のブランドに信頼や愛着を感じてくれる人を増やす活動」です。「知っている」「思い出す」だけでは、購入やリピートにつながりにくいからです。

 

たとえば、ちょっと思い浮かべてみてください。あなたがとある企業やブランドを思い出す時、きっとこんな印象とともに思い浮かべているはずです。

  • 良い商品が揃ってる
  • おしゃれ、便利
  • お得な商品がある
  • 行き届いたサービスをしてくれる

 

このように、日頃から信頼や愛着を感じている商品やサービスは、自然と利用率やリピート率が高くなります。時には人におすすめしたりもすると思います。

  

たとえば私の場合は「無印良品」を長年愛用しています。オーガニックの商品も多いですし、シンプルかつおしゃれなので人を選ばず、長く使っても飽きません。洋服も生活雑貨も基本的に無印良品で揃えます。ギフトにもよく利用しています。

 

こういったお客さんが増えるほど、企業や販売者は認知度を高め、売り上げを伸ばしていくことができます。

 

わかりやすい表現として、”ブランド”ではなく、”らしさ”と表現されることもあります。
人が「~らしい」と表現する時、そこには親しみや信頼の情がこもっているからです。

  

ということで、「ブランディング」は、「企業やブランドの”らしさ”を認知してくれるお客さんを増やす活動」とも言えます。

 

ブランディングの必要性が高まっている

 

あなたは、こんな経験をしたことはないでしょうか?

 

お店で似たような商品を前にして選びかね、店員さんに違いを聞いたら「特に違いはないですよ」と言われた。

 

誰しも、1度や2度はあると思います。これは、社会のグローバル化やIT化が進んだことに理由があります。

 

機能的価値と情緒的価値

 

社会全体の技術力が底上げされ、労働力が低コスト化した現代は、技術やコストといった「機能的価値」での差別化が難しくなっています。

 

十分な機能と手ごろな価格は当たり前。

 

このような現代で次に比較要素となってくるのが、「安心、親しみ、憧れ、共感」などの「情緒的(感情的)価値」です。

 

たとえば、私はシーツは無印良品で買うと決めています。他のメーカーのものでも大差はないんですが、なんとなくいつも買っていて安心だし、無印で揃っていると気分がいいからです。

 

こんな風に「どれ買っても大差はない」という現代では、「情緒的(感情的)価値」を訴求するブランディングは、現代において特に重要性が高まっているといえます。

 

ブランディングは誰に向けたものなのか?

 

一般的に「ブランディング」と聞いてイメージするのは、”お客さん”を対象にしたブランディングだと思います。お客さんを対象としたブランディングは、このような目的で行われます。

 

ですが、ブランディングを行う対象は、他にもいます。以下の通りです。

  • ビジネスパートナー
  • 採用の対象となる学生
  • 自社社員

  

このように、ブランディングは企業が関わるすべての関係者を対象にして行われます。

 

なぜなら、ブランディングは関係者とのつながりを強化し、事業の安定性や成長度を高めるからです。
具体的にはこのような効果があります。

  • お客様に対して:既存顧客とのリピート率向上、既存顧客のファン化、新規顧客の開拓など
  • ビジネスパートナー(BP)に対して:新規BP開拓や既存BPとの協業強化など
  • 採用の対象となる学生に対して:採用力の強化、マッチング率の向上など
  • 自社の社員やスタッフに対して:モチベーション向上、自社への好意度や愛着度の向上、離職率の低下、パフォーマンス向上、マネジメント力向上など

 

ブランディング向上の重要ポイント

                          

ブランディングを向上する上で、最も重要なポイントは次の2つです。

 

社内外に対して、一貫性のあるブランドメッセージを発信していること

クリックで拡大できます

 

継続的に発信していること

クリックで拡大できます

 

たとえば、

  • 社長と社員で言っていることが違う
  • お客さんに向けて言っていることと、株主に向けて言っていることが違う
  • 言っていることとやっていることが違う
  • 時と場合によって言っていることが違う

 

こんな会社や事業主だと、お客さんなど企業が関わる関係者から「〇〇らしいよね」とその企業の“らしさ”を認知してもらうことは難しいですよね。それどころか、信頼を損ないかねません。

  

そのため、ブランディングをしていく際には必ず、以下の両面で行っていくことが大切になります。

  • インターナルブランディング
    自社社員やスタッフなどの組織内部に向けて行う
  • アウターブランディング
    株主やお客様、パートナ―企業、採用対象となる学生などの組織外部に向けて行う

「社内外に対して一貫性のあるブランドメッセージ」を、「継続的」に発信・実行することで、ブランドの世界観を深め、強化していくことができます。

 

ブランド力を高める方法

 

ブランディングの方法は、大きく分けて以下の5つのステップです。

 

  1. ブランドの戦略策定
  2. コアメッセージ開発
  3. コアメッセージのツール化
  4. 社内浸透施策
  5. 社外への発信・実践

 

STEP1~3でブランドの戦略やメッセージ開発、それを伝えるためのツール開発を行います。

STEP4、5で社内外に浸透させる取り組みを、数年という長い期間をかけて継続的に行っていきます。

 

各ステップについて、詳しく解説していきます。

 

STEP1:ブランドの戦略策定

 

分析を行い、ターゲットやポジショニングを策定します。

具体的な手順は以下です。

  1. 自社のビジネスや、自社をとりまく環境の分析を行う
  2. 上記をふまえてターゲット、ポジションを明確にする

                

具体的に説明します。

                

1. 自社のビジネスや、自社をとりまく環境の分析を行う

              

一般的に、以下の3つののフレームワークを使って分析を行います。

●PEST:企業を取り巻く外部環境を分析するために用いられます
政治的要因(Politics):市場のルールに大きな影響を及ぼす政治的な動向
経済的環境要因(Economic):景気動向や消費動向など、経済に関する動向
社会的環境要因(Social):企業や消費者を取り巻く社会全体の動向
技術的環境要因(Technological):技術が影響をもたらす社会や市場の動向

●3C:企業の内部環境を分析するために用いられます
顧客、市場(Customer):市場規模、顧客のニーズ、顧客の購買能力など
競合(Competitor):競合他社の状況、市場シェア、強み・弱みなど
自社(Company):自社の強み・弱み、リソースなど

●SWOT:自社を取り巻く内部・外部の環境をプラス面・マイナス面に分けて分析するために用いられます
強み(Strength):目標達成に貢献する組織(個人)の特質
弱み(Weakness):目標達成の障害となる組織(個人)の特質
機会(Opportunity):目標達成に貢献する外部の特質
脅威(Threat):目標達成の障害となる外部の特質

              

ここでは割愛しますが、具体例たはくさん出回っているので調べてみてください。

                

2.上記をふまえて、目的、ターゲット、ポジションを明確にする

               

具体的には以下のような内容です。

  • 自社のDNAや優位性はなにか、どのような資源があるか
  • 貢献する顧客イメージ
  • どんな価値を提供するか
  • 価値提供することで、社会にどんな変化・進化をもたらすのか
  • 上記を実現するために市場においてどのような存在を目指すか
  • 上記を実現するために、競合とどのような差別化をするか

 

特に正解となるフォーマットや形式はありません。良く知っている企業のサイトや店舗づくりなどを参考にすると、考えやすいと思います。

 

STEP2:コアメッセージ開発

 

コアメッセージは、「戦略を実現するための方針」として、また、「企業の目指す姿や大切にしていることを社会にわかりやすく示すため」に作られます。

 

主なものは以下の3点です。

  • ビジョン(目指す姿)
  • ミッション(社会の中で果たすべき役割や存在意義)
  • バリュー(ビジョンやミッションを実践するための行動指針)

  

基本はこの3点セットですが、企業によって様々な言葉でまとめられており、数も3つとは限りません。

 

たとえば、スターバックスは「ビジョン」という言葉でまとめられているものがなかったり、化粧品メーカーのPOLAでは、「創業の想い」と「企業理念」という形でまとめられていたりします。

 

形は異なっていても、本質は上記の3点です。

                  

コアメッセージは、企業のホームページに掲載されています。いつも使っているブランドや、好きな企業のコアメッセージをチェックしてみると、参考になると思います。

 

STEP3:コアメッセージのツール化

 

主なラインナップは以下の通りです。

  • ロゴマーク(ブランドイメージを印象づけるためのシンボル)
  • タグライン(企業やブランドが持つ魅力や価値を表現したキャッチコピー)
  • クレドカード(社員が現場で判断を行う際の指針となる信条を掲載したカード)
  • ブランドブック(企業の存在価値や目指す姿などを掲載した本)
  • ビジョンムービー(ビジョンメッセージやビジョン実現イメージを描いた映像)

 

業種や関係者によって必要性が異なるので、何をどのように作るのかは様々です。

 

たとえばBtoC企業の場合は、消費者にブランドメッセージを印象づけるため「タグライン」を作る企業が多いです。※BtoCは、企業対消費者の取引のこと。
⇒具体例:ニトリ:お、ねだん以上。|クラシエ:夢中になれる明日|日産:やっちゃえNISSAN

 

学生アルバイトが多い企業では、学生にもわかりやすくブランドイメージを理解してもらえるよう「ビジョン絵本」を作る企業もあったりします。

 

伝える対象に合わせて、様々なツールが使われています。

 

STEP4:社内浸透施策

 

様々な施策によって、社内にブランドメッセージの発信や実践方法の共有を行います。

何を行うかは、企業が持っている課題やその優先度、ブランド理解や共有がしやすいコミュニケーション方法などによって様々です。

例えば以下のようなものがあります。

  • 現状把握:調査を行い、浸透状況や課題を明確にする
  • ブランドメッセージ共有:社内報や社内サイトで、ブランド理解を深める
  • 自分ごと化:研修、ロープレ、対話ワークショップなどの対話やアウトプットを行う
  • 意思決定力強化:マネジメント研修などで、ブランドにふさわしい意思決定について理解を深める
  • インセンティブ導入:社内表彰や評価制度、サンクスカード、社内通貨などでブランド行動への意欲を高める

 

STEP5:社外への発信・実践

 

社外の様々な関係者に対してブランドメッセージの発信や実践を行います。

店舗事業を行っている企業は、お客様への接客シーンでブランドにのっとった接客の実践をしたり、ものづくり企業はハッカソンに参加をしたりなど、様々です。

 

一例として、いくつか列記しておきます。

採用対象者向け:採用サイト、採用案内パンフレット
株主向け:IRレポート、CSRレポート
カスタマー向け:ブランドサイト、ブランドロゴをあしらった商品パッケージ
クライアント向け:展示会、名刺や提案書などのツールデザイン統一
パートナー企業向け:パートナー感謝イベント

 

まとめ

 

以上で、ご説明をおわりにします。

 

ブランディングには唯一の正解はなく、メッセージや方法、伝え方は企業によって様々です。なので、形にこだわる必要はありません。

 

少し難しいな、どこから手をつけたらいいかわからないなと思われた場合は、

  • お客さんや自社の関係者とのコミュニケーションの中で、伝えたいブランドメッセージを伝えられているか?
  • そもそも伝えたいブランドメッセージは明確になっているかな?

というところから考えてみるといいかもしれません。

 

それでは終わります。

 

お読みいただき、どうもありがとうございました。

 

 

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