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【図解あり】自分の意見を言うための4ステップ

あなた
これまで周りに合わせてきたことが多く、自分の意見が思い浮かばない。自分の気持ちを言語化するのが苦手。意見はあるし言いたいのだけど、なかなか言えない。

 

こういった方に、おすすめの記事です。自分の意見を作って発信するための4ステップをご紹介していきます。

 

昔の私は、意見がまとまらなかったり、伝わらないことでとても苦労しました。約15年間の営業や企画、コンサルなどを担当し、社内のチームメンバーをまとめあげたり、お客様に提案をするという経験の中で、自分の意見を形成して伝える方法を学んできました。その経験に基づいてまとめていきます。少しでも参考になれば嬉しいです。

 

自分の意見を言うための4ステップとは

 

最初に結論を言うと、以下の4ステップです。

                  

STEP1 テーマについて多面的に情報収集をする
STEP2 色々な視点で検証する
STEP3 自分の立ち位置を決める
STEP4 主張をまとめる

 

意見を言う第一の目的は、相手に理解してもらうことです。理解してもらうからこそ、相手に行動を促したり、議論などができるようになります。相手に理解してもらうための情報を、上記4ステップで明らかにしていきます。

 

よくある誤解

 

4ステップの詳細説明に入る前に、よくある誤解を2点だけお伝えします。このような誤解があると、意見をまとめるプロセスを妨げてしまうので、ご注意ください。

 

「意見は自然と湧き出るもの」とか、「自然と湧き出たものが意見」と考えている

意見は自然と湧き出るものではなくて、作るものです。意見を相手に理解してもらわないと意味がないので、相手が理解しやすいように全体像や事実認識、自分の主張以外の視点なども必要になるからです。

「否定されたらどうしよう」と思ってしまって、意見が言えない

もし否定されたとしても、それは事実情報や解釈に関する反論であって、人格の否定ではないので、安心してください。(人格を否定する人は論外なので、距離をおけばOKです)事実情報や解釈が間違うことはまったく恥ずかしいことではありません。一人の人間が把握できる情報や見る視点は限られているので間違うことは当たり前です。間違っていたとわかった時点で、それをふまえて意見を修正します。

 

STEP1 テーマについて多面的に情報収集をする

  

先ほどの4つのステップを通して、自分の意見を作るプロセスを簡単に説明していきます。例として、以下のシチュエーションをもとに説明していきます。

 

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「スーパーみぎわはいいスーパーだ」というまるこさんの主張は、たまこさん自身にとってもいいスーパーなのか?というと、多くの場合そうではありません。例えば、「たまこさんには0歳の赤ん坊がいるため離乳食が必要ですが、まるこさんには高校生の子供がいるので一般的な食材があれば十分」といったように、一人ひとり環境も性格も好みも異なるので、誰かの主張がそのまま自分に当てはまることはあまりありません。ですから、自分で情報収集をして、事実を確認していく必要があります。

情報収集をする際のポイントは3つです。

 

  1. 「事実」を確認すること

  2. 比較対象も含めて情報収集すること

  3. 軸を明確にしたうえで情報を収集すること

詳細は以下に説明していきます。       

 

①「事実」を確認すること

この段階で収集する情報は主張の根拠となります。ですから、主観的情報ではなく、“客観的な事実”を収集する必要があります。以下に例をあげます。

×なんでも揃う

肉・魚、野菜、果物、離乳食、介護用食品、贈答用菓子など、年代やシーンに合わせたラインナップが豊富

 

②比較対象も含めて情報収集すること

当然のことながら、「スーパーみぎわがいいスーパー」という意見について結論を出す前に、他の選択肢も視野にいれて比較する必要があります。

 

③軸を明確にしたうえで情報を収集すること

他の選択肢も含めて情報を収集する際、情報が偏っていると公平な判断になりません。情報が揃うように、軸を明確にします。例えば以下のようなものです。

  • 品揃え
  • 価格
  • カード利用
  • 接客品質
  • 営業時間
  • アクセス

 

上記の①~③を一覧にまとめると、以下のような図表にすることができます。ここまで実際に作る必要はありませんが、このような比較表を頭にいれながら情報を収集していきます。

 

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STEP2 色々な視点で検証する

 

意見を言う際に、色々な視点をまじえて伝えると説得力が高まります。以下に例をあげます。

 

×「スーパーみぎわは商品の品揃えと接客品質の面で、いいスーパーだ」

「会社員にとっては、深夜まで営業していて、レジ対応がとてもスピーディーな、スーパーはなわはとても便利。一方で、スーパーみぎわは、接客が丁寧な分、他のスーパーに比べてレジの進みが遅く、営業時間も短い点で、忙しい時には不便と感じる。しかし、お肉・お魚や野菜だけでなく離乳食の商品の品揃えもいいし、モンドセレクション賞をとっている商品を多く揃えているから来客の時にも便利

 

上記の例には、以下のような視点があります。

 

・接客が丁寧な分、他のスーパーに比べてレジの進みが遅く、営業時間も短い
⇒忙しくて時間のない人

・お肉やお魚や野菜はもちろん離乳食もあって商品の品揃えもいいし
⇒赤ちゃんのいる家庭

・モンドセレクション賞をとっている商品を多く揃えているから来客の時にも便利
⇒来客の多い家庭

 

ほかにも視点は様々あります。例えば、シーン別、性別や年代や職業などの属性、趣味嗜好、生活環境、価値観や信条、文化や宗教などの視点でメリットやデメリットを考えていきます。

 

STEP3 自分の立ち位置を決める

 

立ち位置には大きくわけて、以下の4つの立ち位置があります。

肯定派、否定派、中立派、条件によって変動する派

 

立ち位置は、自分の視点に基づいて決まります。

性別や年代や職業などの属性、趣味嗜好、生活環境、価値観や信条、文化や宗教など

 

たまこさんの場合、平日の遅く帰る日には、スーパーみぎわは既に閉店している時があるため、不便だと感じています。しかし、離乳食が売っている点や、休日には会社の仲間や友人の訪問が度々あるため、来客用菓子などが売っている点で便利だと感じています。

以上のことから、「スーパーみぎわはいいスーパー」というまるこさんについて、たまこさんの立ち位置は、「条件によって変動する派」と言えます。

 

STEP4 主張をまとめる

 

主張をまとめる際は、PREP法を用います。PREP法とは、以下の流れで展開する文章構成のことです。

 

POINT=結論
REASON=理由
EXAMPLE=具体例
POINT=結論の繰り返し

 

これまでの内容を用いると、以下のようにまとめられます。

 

POINT=結論
私は「スーパーみぎわはいいスーパー」という主張について、状況によって意見が異なります。「スーパーみぎわは、私にとって休日には便利なスーパーだと思います。平日に行く場合、スーパーはなわが便利です。」

REASON=理由
育児と仕事を両立する自分にとって、平日のスーパーみぎわは不便があるから。

EXAMPLE=具体例
平日の遅く帰る日には、スーパーみぎわは既に閉店しています。しかし、離乳食も売っていて、休日には会社の仲間や友人の訪問が度々あるため、来客用菓子などが売っている点で便利だと感じています。

POINT=結論の繰り返し
私は「スーパーみぎわはいいスーパー」という主張について、状況によって意見が異なります。「スーパーみぎわは、私にとって休日には便利なスーパーだと思います。平日に行く場合、スーパーはなわが便利です。」

 

意見をまとめるのを邪魔してしまう行動習慣

 

最後になりますが、ここまで読んでみて、「4ステップのうちいくつかは既にやっているよ~」という場合が多いと思います。ですが、どれかが抜けていると、「意見がうまく深まらない、説得力がない」ということになります。その場合は、普段のあなたの行動習慣が、上記の4ステップのいずれかを邪魔している可能性があります。よくある行動習慣ごとに、改善すべきステップを以下にまとめておきますので参考にしてみてください

 

普段、ぼんやりと感覚的に情報をインプットしてしまっている。
『STEP1、2』を改善すればOK

いつも自分の立場からだけで物を見ていて、他の立場を想像することはない
『STEP2』を改善すればOK

いつも周囲に合わせたり、指示待ちをすることが多い
『STEP3』を改善すればOK

コミュニケーションが苦手で、自分の意見を言語化するのが苦手
『STEP4』を改善すればOK

 

まとめ

 

自分の意見を作って、発信する4ステップをご紹介してきました。

いかがでしたでしょうか。このように意見を作る習慣は、慣れれば自然とできるようになります。軸や多面的な視点をおいて得た知識や情報は、漠然と吸収した情報よりも、記憶に定着しやすいため、日を経るごとに体系的にな情報群として蓄積されていきます。蓄積した脳内の情報は、とっさに意見を求められたときにも、考えとその根拠を伝えるための大きな力になってくれます。是非、日頃からこの4ステップを意識してみてくださいね。

お読みいただきありがとうございました。

 

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