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「デザインの仕事に向いている人の条件を知りたい。センスは必要・不要どっちの意見も聞くけど、どうなんだろう。自分もデザイナーになれるかな?」
こういった疑問に答えます。
デザインジャンルごとに必要な適性が異なるので、自分に合うものを探せばOKです。本当に大切なのは、向き不向きよりも知識と経験とセンスです。センスを身に付ける3つの方法についてもまとめています。
私はこれまで「デザイナーなんてすごいですね。自分にはセンスがないから絶対無理です。」と色々な方から言われてきました。お愛想だとは思いますが、もしかしたら“デザイナーは限られた人にしかできない”というイメージもあるのかな?とも感じてきました。
自分には適性がないから…センスがないから…などと、デザイナーの夢を諦める人がいると悲しいので、個人的な意見をまとめていこうと思います。
ジャンルごとに求められる能力は異なる
一口にデザイナーと言っても、ジャンルごとに必要な能力は大きく異なります。
独断と偏見ですが、私の知っているデザイナーの特徴をまとめます。
- インテリアデザイナー:建築スキルも必要なので理系脳もあり、チームワークに長けている
- パッケージデザイナー:生活者目線で物事を考えられるマーケティング感覚がある
- ファッションデザイナー:常にアンテナを張っていてトレンドに敏感
このように必要な能力はジャンルによって様々です。なので一概に「デザイナーの適性はこれだ!」と言えるものではありません。
たとえば私はインテリアデザインをスクールで学びましたが、てんでダメでした。図面を描いたり読み解いたりする作業に向いていませんでした。結局、グラフィックやパッケージ系のデザイン分野に落ち着きました。
こんな感じで、ジャンルごとに向き・不向きがあったりします。
デザインジャンルはたくさんあるので、あなたに合ったジャンルがきっと見つかるはずです。
ジャンル一覧
ヘアデザイナー、ジュエリーデザイナー、CGデザイナー、プロダクトデザイナー、カーデザイナー、グラフィックデザイナー、ブックデザイナー、パッケージデザイナー、フラワーデザイナー、Webデザイナー、ゲームデザイナー、空間デザイナー、都市デザイナーなど
共通して必要なのは、知識と経験
ジャンルごとに必要な能力とは別に、全てのジャンルに共通して必要なものもあります。それが「知識と経験」です。
これはどの職種も同じですね。たとえば営業にもマーケティングにも接客業にも目的を実行するための体系化されたメソッドがあるのと同じように、デザインにもメソッドがあります。
例えば、下記のようなものです。
デザイン理論の具体例
- 赤は情熱・活発さ、青は知的・誠実さなどの色彩イメージ
- ユーザーの視線の流れに合わせたZとFの法則
- レイアウトの基本原則、「近接・整列・反復・コントラスト」
デザイナーは、このようなデザイン理論に基づいてデザインを行います。経験を重ねていくことで、クライアントの様々な要望に応えることができるようになります。
ということで、ここまでの要点をまとめます。
- デザイナーの向き・不向きはジャンルごとに異なる。自分に合ったジャンルを選べばOK。
- 必ず必要なのは「知識と経験」
- 知識と経験は、誰にでも習得可能。
ここまで聞くと、「でも、デザインにはセンスが必要なんじゃないの?」という疑問がわくかもしれません。次の章でご説明していきます。
デザイナーにセンスは必要か?
デザインの仕事にセンスは必要だと思います。
ですが、センスはあとから身に付けることができます。「生まれつきセンスがない」と諦める必要はありません。次の章せ解説します。
センスの身に付け方
センスを身に付ける手順は次の3点です。
センスを身に付ける手順
- 良い・悪いを見極める判断軸を持つ
- デザインの良い・悪いをジャッジする経験を積む
- 多くのデザイン事例を見て表現方法を学ぶ
簡単に説明します。
①良い・悪いを見極める判断軸が必要
センスの話は抽象的になりやすいので、下記のような具体例を前提にお話ししますね。
- そのファッションのデザインが良いのか悪いのか
- そのポスターデザインが良いのか悪いのか
デザインの良し悪しを見極めるにはいくつかの判断軸があります。例えば下記の通りです。
デザインの良い・悪いを見極める判断軸の具体例
- 機能的か
- 使う人のニーズがおさえられているか
- 季節やTPOに合っているか
- トレンドをおさえているか、など。
こういった判断軸を多く持っているほど、デザインの良し悪しを見極める精度が高まります。判断軸は、下記の方法で身に付けることができます。
- デザイン理論を身に着ける
- 利用者のニーズを知る
②デザインの良い・悪いをジャッジする経験を積む
判断軸を持つとともに、デザインの良い・悪いをジャッジする経験を積むことも大切です。
具体的にどんなふうにジャッジするのか。具体例で示します。
具体例:高級化粧品のポスターデザインのNG例
- 情報量が多すぎて、何を伝えたいかがわかりにくい
- 必要な情報が一目で目にとまらない
- 高級ラインのブランドなのに、配色が子供向け
- スタイリッシュな企業イメージと合わないゴシック模様
わかりやすい例でいうとこんな感じです。こんな風に判断軸に基づいて、そのデザインの「良い点・悪い点・その理由」を明らかにします。このような経験を積み重ねることで、見る目が養われ、センスが磨かれていきます。
③多くのデザイン事例を見て表現方法を学ぶ
多くのデザイン事例を見て様々な表現方法を学ぶことも大切です。わかりやすく、まずは具体例を示しますね。
具体例:冬のカフェのポスターデザイン例
これだけたくさんの表現方法があります。
”冬のカフェ”ということで基本的に暖かさや華やかさを訴求したものが多いですが、レイアウトや配色、フォント、商品の見せ方など、表現方法は様々です。多くの事例を見て引き出しを増やすことで、センスは磨かれます。
以上、センスの身に付け方についてのご説明でした。
ということで冒頭の質問に戻って、要点をまとめると下記の通りです。
デザイナーにセンスは必要か?
- 生まれつきセンスがなくても、もちろんデザイナーになれる。
- ただし、デザインの仕事にセンスは必要。
- センスの身に付け方は3点
- ①良い・悪いを見極める判断軸を持つ
- ②デザインの良い・悪いをジャッジする経験を積む
- ③多くのデザイン事例を見て表現方法を学ぶ
デザインで一定の成果を出すには、1,000時間かかる
デザインは誰にでも習得可能ですが、一定の成果を出すまでにはそれなりに時間がかかります。下記の通りです。
- 10,000時間の法則:エキスパートになるための必要時間(マルコム・グラッドウェル氏が提唱)
- 1,000時間の法則:一定の成果を出すための必要時間(ロチェスター大学Philip Guo准教授)
- 20時間の法則:新たなスキルを習得するための必要時間(ジョシュ・カウフマン氏)
1年間、毎日3時間学べばOK
1,000時間の学習を約1年間で終わらせるには、「毎日3時間」学べばOKです。
下記の通りです。
- 1日1時間だと2年9か月
- 1日3時間だと333日(約1年)
- 1日5時間だと200日
- 1日6時間だと166日(約半年)
どんなに忙しい会社員の方でも、朝昼晩に1時間ずつ捻出するのは不可能ではないはず。
一番楽な方法は、就職することです。働きながらスキルアップできます。
すでに基礎がある方なら企業に応募できますし、まずは副業からというのもありだと思います。完全初心者なら、スクールに行けば基礎をさくっと学べます。
おすすめ記事
- 転職に関する記事:【結論】未経験でもデザイナー転職は可能【具体的な方法も解説】
- 副業に関する記事:【5パターンある】クリエイティブ系フリーランスの仕事探し方法
- スクールに関する記事:(coming soon)元デザイナーの私がおすすめするデザインスクール
デザインスキルは人生の選択肢を広げる
デザインスキルがあると、人生の選択肢が広がります。
私の周りのデザイナーさんを例にすると、下記の通りです。
- 紙系のデザイナーからWebデザイナーへ転身
- グラフィックデザイナーからインテリアデザイナーへ転身
- デザイナーからアートディレクターへ
- デザインスキルを身に着けて独立
- デザイナーからアーティストに転身
パターンとしては、以下の4パターンになります。
デザイナーから広がる様々な選択肢
- 対応ジャンルを広げていけば
→紙系、Web系、プロダクトなど、多ジャンルで活躍 - ビジネススキルを掛け合わせれば
→アートディレクターなど、クリエイティブチームの指揮管理役として活躍 - 働き方を変えれば
→独立してフリーランスに。web系であればノマド生活も可能 - 表現のフィールドを変えれば
→アーティストになる人もいる
ほかにも世の中を見渡せば、もっと多様な活躍をされているデザイナーさんが見つかります。
たとえば、一つのプロダクトにとどまらず企業のブランディングまで手掛ける佐藤可士和さんや、広告から舞台美術やMVなど幅広く手掛ける森本千絵さんなどが有名です。
もっと身近な例で言うと、デザインスキルは生活の様々な場面で役立ちます。
具体例:私の場合
- ボランティア活動のポスター制作
- 展覧会やコンサートのチラシ制作
- ネットショップの見せ方アドバイス
- 商品の配色アドバイス
- 洋服コーディネート
- プレゼントの色選び
人生の選択肢も広がりますし、生活の様々な場面で役立てて身近な人に喜んでもらえる。これはデザインスキルを習得したおかげだなと思います。
まとめ:デザインスキルのある人生のススメ
要点をまとめます。
- ジャンルごとに求められる能力は異なる
- 共通して必要なのは、知識と経験
- センスは身に付けることができる
- デザインで一定の成果を出すには1,000時間かかる
- 一番楽な方法は働きつつ学ぶこと
- デザインスキルは人生の選択肢を広げる
上記の通りです。
いきなりキャリアチェンジはハードルが高いと感じる場合は、まずは副業やスクールなどで、小さく始めてみるのがおすすめです。デザインスキルがあると人生が豊かになるので、ご興味がある方は是非行動してみてくださいね。
ということで、この記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。