こういった方向けの記事です。
最近は「NFTアート」という名前をよく聞くようになったので、気になっている方も多いのではないかなと思います。でも一方で、気になるけど難しくて踏み込めないと感じている方もいるように思います。
ということでこの記事では、難しい話はなしで、なるべく専門用語を使わずに、なじみのあるものに言い換えたりしながら、わかりやすく解説していきたいと思います。
NFTアートは、色んなデジタルアートが売ってるネットショップで売買されています。簡単に言えば、minnneとかCreemaみたいなイメージで考えていただけるといいかなと思います。
一見難しそうですが、ふたを開けてみれば意外とシンプルですし、新しい世界が広がっていてとても楽しいですよ。
ということで、この記事が一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいです。それでは進めていきます。
NFTアートの取り引きの全体像
まずは簡単にNFTアートの取り引きについてご説明します。専門用語抜きでご説明しますね。
下記の通りです。
NFTアートは、NFTアート専用のネットショップで売買されています。
一番最初は、制作者と一番最初の購入者(仮にユーザーAさんとします)との間で、作品と対価のやり取りが発生します。
制作者:作品売ってます~
ユーザーAさん:作品くださいな
制作者:作品をどうぞ
ユーザーAさん:お金をどうぞ
次に、その作品が転売されると、ユーザーAさん・Bさんとの間で、作品と対価のやり取りが発生します。
ユーザーAさん:作品転売します。
ユーザーBさん:作品くださいな
ユーザーAさん:作品をどうぞ
ユーザーBさん:お金をどうぞ
こういった取り引きを一つのマーケット内で行うことができるのが、NFTアート専用のネットショップです。
「転売もできるminnneとかCreema」みたいなイメージが分かりやすいと思います。
とってもシンプルですよね。
ここで、専門用語に差し替えるとこうなります。
- 作品・・・NFTアート
- お金・・・通貨(ETH/PolygonETH)
- お店:NFTマーケットプレイス(Opensea、NFT Studioなど多数あり)
上記の通りです。
これで、NFTアートの取引の全体像はなんとなく理解していただけたかなと思います。
ですが、ここでいくつか疑問を感じた方がいらっしゃるかもしれません。
- 疑問1:作品データをコピペ保存すれば自分のものになるのに、なんで買うの?購入者の目的は何?
- 疑問2:そのNFTアートが本物だって証明できるの?
- 疑問3:2次流通で入った利益の一部は、制作者にも入るの?
こういった疑問の答えが、NFTアートの特徴でもあります。次の章で解説します。
NFTアートの特徴
疑問1:購入者の目的は?
NFTアートの購入目的は主に下記の3つです。
- 投資
- 仲間づくり
- ステータス
1.投資
NFTアートの一部は、貴金属やアンティークコレクションなどのような投資対象として高額で取り引きされています。たとえば有名なNFTアートに下記のCryptoPunksがあります。(ちなみに”CryptPunks”はコレクション名です。)
世界的に有名なEDMアーティストであるスティーブ・アオキ氏は、65ETH(現レートでは約2,500万円)で購入したCryptoPunksを300ETH(現レートで約1億1,500万円)で売却しています。ほかには、アメリカのアーティストであるBeeple氏のデジタル作品が日本円で約75億円で落札されたり、小学生のデジタルアートが数百万円で落札されたなどの例も有名です。
2.仲間づくり
「作品の所有者には、会員制のオンラインコミュニティに入会する権利を与える」といった購入特典のあるNFTアートもあります。特に有名なところではこちらの「Bored Ape Yacht Club」です。
同じ作品を購入した人同士が、ネット上のクローズドな空間で交流や情報交換をすることができます。こういった点に魅力を感じて購入する方もいらっしゃるようです。
3.ステータス
高額のNFTアートや、数量限定の希少性の高いNFTアートの所有者は、SNSのプロフィール欄などで自分の持っているNFTアートを表示し、ステータスを証明することができます。
ネット上のポケモンカードとかブランド品と考えるとわかりやすいです。数量限定モデルの超高額の時計をつけていると一目置かれたり、同じステータスの人とつながりやすくなる、といった目的でも利用されています。
疑問2:NFTアートの「本物」証明?
作品データに「識別情報を付与すること」で、その作品が本物であることを証明することができます。
識別情報というのは具体的に言うと、
・制作者が作品データを販売する際に登録した情報や、
・NFTのマーケットプレイスでの取り引き履歴などで、
NFTマーケットに作品を登録した瞬間から、このような識別情報が作品に自動的に付与される仕組みになっています。
これを実現したのが、いわゆる「ブロックチェーン」と呼ばれている技術です。
ブロックチェーン技術の特徴
- データの作成者・所有者を記録できる
- 取り引き履歴を記録できる
- 唯一性を証明できる
- 改ざんできない
ブロックチェーン技術の特徴は上記の通りで、「データの改ざんができない」という特徴もあります。
デジタルデータに改ざん不可能な識別情報を付与できるようになったことで、現実世界でのアートのようにデジタルアートにも希少性が生まれ、唯一無二のアートとしてその価値を認められるようになったのです。
このように、替えがきかない唯一無二のデータや資産のことを「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」とよびます。
疑問3:2次流通で入った利益の一部は、制作者にも入るの?
NFTには、新たな所有者にNFTが販売される度に、制作者に報酬が支払われる仕組みがあります。
出品時に「ロイヤリティ」を設定することで報酬を受け取ることが可能になります。報酬の割合としては、NFT販売の最大手のマーケットプレイスであるOpenseaでは10%のロイヤリティを設定することができます。
これまでは、作品が制作者の手元を離れて転売されても、制作者に報酬が入ることはありませんでした。
ですがNFTであれば、ブロックチェーン技術によってデジタルデータに改ざん不可能な識別情報が付与されています。ですから、作者の手を離れて転売されても、報酬を受け取ることが可能になったのです。
まとめ:アートやイラスト販売の選択肢の一つにどうぞ
ということで、最後にポイントをまとめます。
NFTアートの主なキーワード
- NFTアート・・・改ざん不可能な識別情報付きのアート
- NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン):替えがきかない唯一無二のデータや資産のこと
- ブロックチェーン:NFTを実現した技術のこと
- NFTマーケットプレイス(Opensea、NFT Studioなど多数あり)・・・NFTアートを売買するネットショップ
- 通貨(ETH/PolygonETH)・・・NFTのマーケットプレイスでやりとりされるお金
購入者にとってのNFTアートの主なメリット
- 投資
- 仲間づくり
- ステータス
制作者にとってのNFTアートの主なメリット
- 価値あるアートとしてデジタルデータを販売できる
- 2次流通でも報酬が入る仕組みがある
- 海外向け販売ができる
- 注目度の高い市場のため、認知度をあげるチャンス
上記の点から、NFTアートはクリエイターの活躍の場を劇的に変える手段になっていくと考えられます。
既にNFT市場にはアートのみならず、スポーツ、ファッション、音楽、ゲームなど、様々な領域で大手企業がぞくぞくと参入し、NFTを活用した新しい技術や商品が既に注目を集めています。
もっと多くの人に作品を届けたい、クリエイターとしてもっと大きくビジネスをしたいといった方は是非、チャンレジしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。