「LINEスタンプを作成しようか考えている。どんなメリットがあるの?必要な道具や作成方法から販売する方法まで、まるごと教えてほしいな。」
こういった方にお答えしていきます。
この記事さえ見ればすべて完結できるよう、LINEスタンプ作成から販売にいたるまでの一通りの内容をまるごと解説していきます。
最初は、「情報量多いな」「なんか大変そう」と思うかもしれませんが安心してください。難しいことは一切ないので、一つひとつこなしていけば、思ったより簡単に販売までこぎつけることができますよ^^
販売したあとは、スタンプの使用回数や売上状況などをチェックできたり、サポートプログラムにエントリーできたりなど、様々な楽しみ方があります。
ご興味があれば、ぜひ制作を検討してみてくださいね。それではくわしく解説していきます。
LINEスタンプを販売するメリット【3つある】
フリーランス・個人事業主・副業など、個人で仕事をする方が、LINEスタンプを販売するメリットは3つあります。下記の通りです。
LINEスタンプを販売するメリット
- メリット1 収益を得られる
- メリット2 興味度や愛着度を高め、ユーザーとの距離を縮める
- メリット3 認知度を上げる
簡単にご説明していきます。
メリット1:収益を得られる
LINEスタンプの販売料金の一部を収益として獲得できます。
大半のスタンプは、「1セット120円(収益は42円)」で売られています。(※単価の詳細は、「8章2節 スタンプを登録」の中で解説しています。)たとえば収益1万円を目指すには、約250件売り上げる必要があります。
ここまで聞くとお気づきかと思いますが、有名な方以外がいきなりLINEスタンプで大きく収益を伸ばすことは厳しい世界だと考えていただくのが妥当かと思います。大きく収益を伸ばすには、量や種類を増やしたり、積極的にPRするなど長期的な取り組みが必要になります。
ということで、下記にご紹介する2点が主なメリットとなります。
メリット2:興味度や愛着度を高め、ユーザーとの距離を縮める
「単純接触効果」が見込めます。※単純接触効果=何度も繰り返し接触することで、好感度や評価が高まる心理効果のこと。
ユーザーがあなたのLINEスタンプを毎日使うと、毎日あなたのイラストにふれることになります。それによって、ユーザーが自然とあなたのイラストへの興味や愛着を高めていくことが期待できます。
メリット3:認知度をあげる
購入者を通して、イラストの認知度をあげることができます。たとえば下記の通りです。
家族が使ってたスタンプがかわいかったからマネして買ってみた→友達Aとの会話で使ってみた→友達Bもマネして同じスタンプを買った
こんな感じで購入者があなたの作成したスタンプを使うことで、あなたのイラストが様々な方に認知されます。評判が良ければ、上記のように芋づる式に買ってもらえるかもしれません。
以上、LINEスタンプを販売する3つのメリットでした。たとえ収益の見込みは低いとしても、認知度・興味度、愛着度といったユーザーとの関係性をつくる上で有効なツールであることがおわかりいただけたかなと思います。
それでは次の章から、作成方法について解説していきます。
LINEスタンプの作成方法 6ステップ
作成方法は以下の通りです。
- LINE Creators Marketにマイページを開設する
- LINEスタンプの企画方針を決める
- LINEスタンプのセリフを決める
- イラスト作成の道具を用意する
- イラストを描く
- LINE Creators Marketで審査リクエストをする
順に解説していきます。
STEP1:LINE Creators Marketにマイページを開設する
具体的な手順に入る前に、簡単にアプリの説明をさせてくださいませ。LINEスタンプアプリには、「LINE CREATORS MARKET」と「LINEスタンプメーカー」の2つがあります。違いは下記の通りです。
アプリ | クリエイター本人のダウンロード | 自作のスタンプの収益化 |
LINE CREATORS MARKET |
有料 |
可能 |
LINEスタンプメーカー(旧:LINE Creators Studio) |
以下の2つから選択できます。 簡単に言いかえると、下記の通りです↓ |
以下いずれかに当てはまる場合に、売上金の分配を受けることができます。 a. 2019年6月25日以前に初回審査リクエストをしたスタンプ |
引用:ヘルプセンター | Creators App (line.me)
ご注意ポイント
「クリエイター本人のダウンロードを無料にしたい」という方は、「LINEスタンプメーカー」をご利用ください。※その場合「売上分配額も無し」になるのでご注意ください。
この記事では、「LINE CREATORS MARKET」の利用を想定して解説を進めていきたいと思います。
1.登録する
下記のサイトから入ってください。入ったら、「登録はこちら」ボタンをクリックして登録を行います。(登録から審査申請まですべて無料です。)
登録画面
登録手順は以下から確認できます。
登録手順
2.新規登録画面を確認する
登録が完了したら、
「マイページ」⇒「新規登録」⇒「スタンプ」
をクリック。
以下のような新規登録画面が確認できます。
この段階では入力は不要です。(LINEスタンプのデータ作成が完了した後に、申請します。)
ここの内容は、次の章の中で決めていくので、入力必要事項に軽く目を通しておいてくださいね。
STEP2:LINEスタンプの企画方針を決める
実制作に入る前に、まずは企画方針を決めます。
検討することは、以下の3点です。
目的
ターゲットの人物像
販売エリア
解説に入る前に、具体例をお見せしますね。企画方針で決めることの全体像をとらえていただければと思います。
企画方針の具体例
私の場合は、以下のように考えました。
- LINEスタンプ販売の目的:イラストグッズ販売などの個人の活動を知ってもらうきっかけとして。
- ターゲットイメージ:自由を好み、マイペースで癒しのあるライフスタイルを好む人、LINEの販売エリアが網羅するすべての国の人向け
- 言葉:ポジティブな言葉のみにする、英語圏でよく使われている表現を取り入れる。
- イラスト表現:柔らかくシンプルな色使い⇒基調色は薄ピンク、紺色、赤。アクセント色は低彩度の水色、黄色、ピンク。
- テイストカテゴリ:「ほんわか・癒し系」(※1)
- キャラクターカテゴリ:「その他」(※1)表情や柔和で愉快な性格、表現が豊かなキャラクターを想定。海やハワイを愛する。
(※1)新規登録画面で選択肢から選択する項目です。
上記の方針から、このようなキャラクターを考えました。
私の販売目的は「イラストグッズ販売の活動を知ってもらう」ことなので、ターゲットはイラストグッズ販売のターゲットと同じ人物像をおきました。
そこから、海やハワイが好きなキャラクターにしようと決めて、イメージを膨らませていきました。
具体例を見ていただいたところで、実際に企画方針を決めていきましょう。ここでは、主な下記の3点について決める方法を解説します。
目的
ターゲットイメージ
販売エリア
詳細を解説していきます。
1.目的を決める
LINEスタンプを販売する目的を決めます。主には下記のあたりでしょうか。
・自分や家族、友達に贈って楽しむ
・自分のイラストを知ってもらうための宣伝用
・自分を知ってもらうための宣伝用
目的を決めておくと、このあとの意志決定がしやすくなります。ご自分に合った目的を考えてみてくださいね。
2.ターゲットイメージを具体的にする
次に、目的に合わせてターゲット像を明確にしていきます。
先ほどの例から言うと、自分や家族、友達用であれば、そのまま家族や友達がターゲットになります。
ビジネスの集客用であれば、そのビジネスのターゲットと同じになります。
年代、興味関心、ライフスタイル、よく使う言葉など、ターゲットイメージが具体的なほど、ターゲットニーズにささるスタンプをつくることができます。
たとえば下記の通りです。
「20代・女性・仕事は会社員で営業・休日は仲間とアウトドアをするのが趣味」
このくらい具体的にイメージしておくと、あとでスタンプを作りやすくなります。いくつか考え方を例示しますね。
若者をターゲットにした場合
●言葉
カジュアルな言葉づかいで、最近流行の言葉、遊びや勉強関連の言葉を多く使う。
●イラスト表現
若い人が好む色使い、おのまとぺのみで状況や感情を表現するものを好む。
●テイスト・キャラクターカテゴリ
シュールなものからふざけたものまで幅広く好む。
ご高齢の方をターゲットにした場合
●言葉
流行の言葉は使わない。「ナウい」など、昔流行った言葉をよく使う。生活や健康関連の言葉を多く使う。
●イラスト表現
高齢の方にも見やすい明暗差の大きい色の組み合わせを好む。文字も大きなサイズを好む。
●テイスト・キャラクターカテゴリ
礼儀やマナーを重んじるシーンが多いため、幅広いシーンで使えるように、ふざけたものや独特すぎるものよりは、動物などのわかりやすいキャラクター設定で、柔和な表情など、万人受けするものを好む。
ビジネスマンをターゲットにした場合
●言葉
仕事関係の方にも使えるよう敬語スタンプを多く集めている。ビジネスシーンで使う挨拶など。
●イラスト表現
白黒茶色などのモノトーンをベースに、少しだけカラーを加えるなど、控えめな装飾を好む。
●テイスト・キャラクターカテゴリ
先輩や取引先の間柄で使用しても違和感がないものを好む。動物などのわかりやすいキャラクター設定、柔和な表情など。
ターゲットイメージのご説明は以上です。次に販売エリアをきめていきます。
3.販売エリアを決める
販売可能エリアは?
LINEがサポートしている約200か国から販売したいエリアを選択することができます。
どのエリアに向けて作成するかによって、表現や言葉の選び方が変わるので、企画段階で決めておきましょう。
販売可能な国の詳細は、以下から確認できます。
「マイページ」⇒「新規登録」⇒「販売情報」⇒「販売エリア」
「選択したエリアで販売する」をクリックすると、販売可能なエリアを確認することができます。
月間アクティブユーザー数はどれだけいるの?
販売する国を選定する際の参考までに、月間アクティブユーザー数をお伝えします。
- 最もユーザーが多い国:日本(2021年3月時点で8,600万人)
- 特にユーザーが多い主要4か国:日本、タイ、台湾、インドネシア(ユーザー数総計1億6,700万人)
現段階では、日本のユーザーが断トツに多いです。
数年先に、LINEサービスの海外シェアが急成長している見込みはないかな?と思い調べてみましたが、当面は主要4か国向けで良いように思います。
参考までに、LINE株式会社が傘下に入ったZHDグループの方針をはっておきます。
■投資及び海外展開
AIを中心に各事業を成長させるため、5年間で5,000億円の投資を計画するとともに、5年間で5,000人のAIの活用に携わる国内外のエンジニアの増員をします。また、既にLINEのサービス利用が多い台湾、タイ、インドネシアを起点とし、日本での成功事例を展開するとともに、海外での成功事例を日本市場へ展開していくことも視野に入れます。また、ソフトバンクやNAVERなどのノウハウ、ネットワークを存分に活かし、海外展開を図っていきます。
引用:ZホールディングスとLINEの経営統合が完了 - Zホールディングス株式会社 (z-holdings.co.jp)
海外向けに販売する際の考慮ポイント
海外向けに販売したい場合は、以下のような点を考慮する必要があります。
●言葉
販売するエリアで最も多く使われている言語をつかう必要があります。たとえば、タイ向けに販売するならタイ語、英語圏に広く販売するなら英語、といった感じです。
また、言葉選びにも注意が必要です。たとえば日本でよく使われる「おつかれさま」という表現は、日本特有のものです。英語圏向けに販売するなら、労いを表現するほかの表現、たとえば「good job(よくやった)」、「how are you?(調子はどう?)」にするなど。その文化でよく使われている表現に置き換える必要があります。
●イラスト表現
販売するエリアに通じる表現をつかう必要があります。たとえば、たとえば、お辞儀はアジア諸国特有の習慣で、欧米エリア向けに販売する場合は適切ではありません。宗教や文化の違いによって、同じ表現でも意味合いが変わる場合もあるので注意が必要です。
以上、企画方針を決める方法として主な3つの項目についてご説明しました。
4.企画方針をざっとまとめておく
ここまで読んだら、企画方針をざっとメモ帳などにまとめておいてください。あとはこの方針に従って制作したり、申請していく段階になります。
この段階で、キャラクターも決めてしまいましょう。LINEスタンプやPinterest、Instagramなどで色々なイラストやキャラクターを見ながら考えると具体化しやすいので試してみてくださいね。
さきほどご覧いただいた、企画方針の具体例を再掲します。
企画方針の具体例
- LINEスタンプ販売の目的:イラストグッズ販売などの個人の活動を知ってもらうきっかけとして。
- ターゲットイメージ:自由を好み、マイペースで癒しのあるライフスタイルを好む人、LINEの販売エリアが網羅するすべての国の人向け
- 言葉:ポジティブな言葉のみにする、英語圏でよく使われている表現を取り入れる。
- イラスト表現:柔らかくシンプルな色使い⇒基調色は薄ピンク、紺色、赤。アクセント色は低彩度の水色、黄色、ピンク。
- テイストカテゴリ:「ほんわか・癒し系」(※1)
- キャラクターカテゴリ:「その他」(※1)表情や柔和で愉快な性格、表現が豊かなキャラクターを想定。海やハワイを愛する。
以上で、「企画方針を決める」の説明は終わりです。
つぎに、セリフを決めていきます。セリフは不要という方は、とばしていただいて大丈夫です。
STEP3:LINEスタンプのセリフを決める
1.販売個数を確認する
セリフを決める前に、そもそもスタンプを何個つくるかを決めておく必要があります。LINEスタンプは販売できる個数に決まりがあります。
ガイドラインには、このように案内されています。
- 販売個数は5通り:8個/16個/24個/32個/40個から選択
規定では上記の通りなのですが、実際はほとんどのスタンプが「1セット40個」で販売されているようです。
数が少ないよりは多い方が売れやすいと思うので、この記事では「1セット40個」想定で進めていきたいと思います。ということで、40種類のセリフを考えていきます。
なお、「セリフなし」「一部だけセリフなし」「全部セリフあり」いずれもOKです。イラストが出来た段階で「言葉は不要だな」と感じる場合もあるので、その点はご自由に決めていただければと思います。
2.セリフを決める
色々なシーンで使いやすいセリフを詰め込むコツは、カテゴリごとに個数をバランスよく振り分けることです。たとえば以下の6カテゴリの場合、1カテゴリにつき、6、7個考えていきます。
セリフのカテゴリ案
- 挨拶系
- 返事系
- リアクション系
- 感情表現系
- 状況表現系
- メッセージ系
セリフ案はこんな感じです。
セリフ案
- 挨拶系:おはよう、またね、いただきます、ありがとう、お願いします、お疲れ様です、よろしく
- 返事系:OK、YES、NO、了解、わかった、考えとく~、うーむ
- リアクション系:すごい、なるほど、いいね、さすが、ハハハ、なんと!、素敵
- 感情表現系:ワクワク、ルンルン、ガーン、ワーイ、きゅん、ほっ、しゅん・・
- 状況表現系:アワアワ(慌てている様子)、待機中、ダッシュ(急いで向かっている様子)、シャカシャカ(歯磨き中)、もぐもぐ(食事中)、シャキーン(起床)
- メッセージ系:また連絡するね、着いたよ、伝われ~、落ち着こう、気にしないで、応援してるよ
3.企画方針に沿ってセリフを調整する
先ほどの具体例をもとに解説していきます。再掲します。
再掲:企画方針の具体例
- LINEスタンプ販売の目的:ブログやイラストグッズ販売などの個人の活動を知ってもらうきっかけとして。
- ターゲットイメージ:自由を好み、マイペースで癒しのあるライフスタイルを好む人、LINEの販売エリアが網羅するすべての国の人向け
- 言葉:ポジティブな言葉のみにする、英語圏でよく使われている表現を取り入れる。
- イラスト表現:柔らかくシンプルな色使い⇒基調色は薄ピンク、紺色、赤。アクセント色は低彩度の水色、黄色、ピンク。
- テイストカテゴリ:「ほんわか・癒し系」
- キャラクターカテゴリ:「その他」表情や柔和で愉快な性格、表現が豊かなキャラクターを想定。海やハワイを愛する。
上記の企画方針にのっとって、セリフを決めるにあたって調整すべきポイントを洗い出します。
企画方針をもとに考えたセリフの調整ポイント
- ターゲットの生活を想像して、他に使いそうなセリフはないか?
- 今回のキャラクターにあった言葉遣いになっているか?
- 英語圏の人が使う言葉・表現になっているか?
- ポジティブな言葉選びができているか?
実際に調整した内容が以下です。
企画方針をもとに実際に調整したポイント
- ターゲットの生活を想像して、他に使いそうなセリフはないか?
→癒しのあるライフスタイルを好む人だから、「気楽に行こうよ」を追加 - 今回のキャラクターにあった言葉遣いになっているか?
→ハワイ好きというキャラクター設定だから「ALOHA」を追加 - 英語圏の人が使う言葉・表現になっているか?
→すべて英語に変換
→「お疲れ様」の代わりに、英語圏の労いの表現として「good job」に変更 - ポジティブな言葉選びができているか
→「ガーン」はやめて、「(ワーイ的な意味で)woohoo」を追加
最終的なセリフの決定案は下記になりました。
具体例:セリフの決定案
- ALOHA
- awesome!
- Can I taik to you?
- Good for you!
- Good job!
- Good morning!
- Good night
- GOOD!
- HAHAHA
- hmmm
- Ho'oponopono
- I agree!
- I'm home!
- I'm so excited!
- Let's go!
- mahalo
- OK!
- on my way!
- See you soon
- take it easy
- Thank you
- What a relief!
- Whoa!
- yummy!
- YES!
- Yeahhhh!
- Woohoo!
- yup!
以上でセリフ決めは完了です。
STEP4:イラスト作成の道具を用意する
企画方針とセリフが決まったところで、いよいよイラスト作成に入ります。まずは、イラストを描くための道具を用意します。
手書きで書いてスキャンして取り込んだり、写真を使って作成するなどのさまざまな方法がありますが、ここでは、パソコン上でイラストを描くことを想定した道具をご紹介します。下記の通りです。
イラスト作成の道具
イラスト・デザインソフト:お絵描きやデザインを制作するソフト
デバイス:パソコンやタブレットなど
ペンタブレット:カーソル操作をする道具。あるとイラスト制作の滑らかさや作業スピードが変わる。
詳しくはイラスト・デザインの道具まとめ|AdobeCCを最もお得に購入する方法も紹介の記事で解説しています。無料・低予算で使える道具も含めて幅広くご紹介しています。
-
イラスト・デザインの道具&ソフトのまとめ|AdobeCCを最もお得に購入する方法も紹介
続きを見る
ちなみに、私がLINEスタンプ制作で主に使用しているのは下記のソフトです。どちらも無料です。
- Medibang:Photoshopに似ているソフト
特徴:写真加工や、アナログな質感にこだわる描画に向いている - gravit-designer:Illustratorに似ているソフト
特徴:くっきりはっきりとした描画に向いている
STEP5:イラストを描く
イラストを描くための道具が揃ったところで、いよいよイラストを描いていきます。
1.ガイドラインを確認する
作成にあたっては、以下より、縦横サイズ、データサイズ、個数、背景指定、文字数、NG表現などを確認してください。
制作に関するガイドライン
審査に関するガイドライン
ちなみに私はこのガイドラインを見るのが面倒で事前に確認しなかったために、審査リクエストをする段階でやっと気が付いて、大量のデータ修正をするという無駄骨を折りました。
せっかく作っても、ガイドラインに沿わないものは作り直しになったり、審査不承認になる可能性があります。作り始める前に必ず確認してください。
ご参考までに、私が見落としていたポイントも書き添えておきます。
- 規定サイズの内側10pxは余白が必要
余白なく、規定サイズいっぱいに描画してしまっていたので、イラストを縮小したり、バランスを調整するなどの修正をしました。 - 色々な背景で使われることを想定して色を決める
LINEのトークルームの背景はデフォルトカラーの水色以外にも色々あります。(水色以外の色、柄など)私は水色だけしか想定していなかったため、あとから視認性を高くするため、修正をしました
2.イラストを描く
審査リクエストに必要なデータ
審査リクエストをする際に必要なデータは上記の通りです。
スタンプ画像以外にも、「メイン画像」と「トークルームタブ画像」を1点ずつ作成する必要があります。
「メイン画像」はスタンプショップに使われるサムネイル画像で、「トークルームタブ画像」は購入者のLINEのトークルームに表示される画像のことです。
まずは「スタンプ画像」を40点作り、「メイン画像」と「トークルームタブ画像」は最後にスタンプ画像の中から特に気に入ったものを選んでリサイズすればOKです。さきほど決めたセリフに合わせて、イラストを制作していきます。コツは下記の2つです。
イラストのコツ
表現が重複しないようにする
イラストにストーリー性を加える
簡単に解説します。
表現が重複しないようにする
たとえば、「いいね」、「good job」、「素敵」、「よし!」というスタンプを作る時、すべて”サムズアップ(親指を立てるジェスチャー)”のイラストだけで全部表現できてしまいます。
でも、同じようなイラストばかりだと買ってもらいにくくなります。変化をつけて、イラストのバリエーションを増やすのがポイントです。
●イラストのバリエーションを増やすコツ
- 全身・半身・顔のドアップ・横向き・俯瞰などキャラクターの角度や距離を変える
- 表情やジェスチャーを変える
- 小物を持たせる
- 背景を変える、など
イラストにストーリー性を加える
企画方針にもとづいて、そのキャラクターらしい居場所や表情、動きなどを決めていきます。
たとえばこんな感じ。
●海やハワイ好きのキャラクター設定の場合
→水着を着させたり、海の中にいたり、サーフボードに乗っているというシーンを加える
●自由や癒しを愛するキャラクター設定の場合
→「急いで向かっています」のスタンプには、全速力で走るイラストよりは、イルカに乗って向かっているイラストのほうがそのキャラクターらしさがでる
キャラクター設定に基づいた一貫した表現が、見る人にストーリー性を感じさせ、キャラクターへの愛着を深めます。
イラストがすべて完成したら、いよいよLINEスタンプのアプリから審査リクエストをする段階になります。
STEP6:LINE Creators Marketで審査リクエストをする
これまでの手順をもれなく行っていれば、『LINE Creators Market』に既にマイページが開設されていると思います。以下よりマイページに入って、以降の手順にしたがって入力を進めてください。
マイページに入る
まだの方は、コチラをクリックしてマイページ開設を行ってください。(3章にジャンプします)
1.送金先情報入力
下記の手順で送金先情報を入力します。
送金先情報入力画面
2.スタンプを登録
下記の手順で、スタンプ情報、販売エリア、販売価格、画像の設定を行います。
新規スタンプの登録方法
スタンプの単価について
スタンプの単価は5通り(120円、240円、360円、480円、600円)から選ぶことができます。この価格の35%が作者へ還元されます。
それぞれ計算すると、こうなります。
120円の35%⇒42円
240円の35%⇒84円
360円の35%⇒126円
480円の35%⇒168円
600円の35%⇒210円
販売中のLINEスタンプの価格を色々見てみましたが、ほとんどのスタンプが「1セット40個 120円」でした。他と比較して「高くても確実に売れる」と思う場合を除いては、120円に設定するのが無難でしょう。
3.審査リクエスト
すべての入力が完了したら、以下の手順でリクエスト、審査ステータスの確認を行います。
審査リクエスト画面
4.審査承認連絡を受けとる
審査が完了し、ステータスが「承認」となると、LINEのトークルームにLINEからメッセージが届きます。
私の場合、審査リクエストを出してから2日後に届きました。以前は2週間ほどかかっていたと聞くので、徐々に期間が短縮されているようです。
5.販売開始の手続き
承認された後、販売開始するためには、自分で手続きを行う必要があります。
販売開始後は、画像修正や変更はできなくなります。
リリースボタンを押す前に、間違ったデータを登録していないか?同じものを二つ登録していないか?文字間違いはないか?など、しっかり確認してください。
以下の手順で行います。ボタンを一つ押すだけで終了です。
販売開始の手続き方法
6.販売開始の確認
無事に販売開始されたら、ラインのトークルームに以下のようなメッセージが届きます。これを確認したら終了です。
7.販売開始以降
(必要に応じて)販売後の文字情報編集
販売開始後でも、クリエイター名やコピーライトなどのテキスト情報であれば編集することが可能です。必要に応じて、下記の手順で行います。
アイテム販売後の編集方法
売上・使用状況確認
マイページの「売上/送金」から収益の状況を、「統計情報」からスタンプの使用状況や使用エリアが確認できます。参考に、統計情報にあるスタンプの使用状況確認画面をはっておきます。
上記は、以下から確認できます。
「マイページ」⇒「統計情報」⇒「アイテム」
長くなるので省略しますが、スタンプひとつずつの使用回数も見れるので、人気スタンプを分析して次に役立てることもできます。是非、活用してみてくださいね。
以上で、LINEスタンプの企画・制作~販売まで、すべての手順の紹介を終わります。おつかれさまでした!
LINEクリエイターの活躍の場
あなたの販売したLINEスタンプの人気が出たあかつきには、LINEスタンプを販売して収益を得る以外にも活躍の場があります。
- LINEクリエイターの表彰式 「LINE Creators Stamp AWARD」
- クリエイター育成プログラム 「LINE Creators Support Program」
詳細を解説します。
LINE Creators MVP AWARD
「LINE Creators Market」で販売されているすべてのクリエイターズスタンプを対象として、1年で最も評価の高かったクリエイターズスタンプを評価する表彰式。審査プロセスは、ダウンロード数や送信数をもとに50個のスタンプがノミネートされ、その中からユーザーによる一般投票、ゲスト審査員、審査委員会での審査を経て選出されます。
LINE Creators Support Program
LINE制作に関わるさまざまなサポートを提供する、選抜式のサポートプログラム。選ばれたクリエイターは、LINEからのさまざまなサポートを受けながら、プロとして認知拡大や売上向上を目指します。
サポート内容はこんな内容です。すごく手厚いですよね。エントリー方法は簡単で、期限までにスタンプをリリースするだけです。
●サポート内容
- 毎月30万(12か月)の活動費をサポート
- 専属の担当がスタンプ制作をサポート
- 新作スタンプのプロモーションサポート
- LINEサービスへの起用斡旋
- 海外のスタンプイベントや人気クリエイターとの交流会への招待
さいごに:目的はさまざま
たくさん作って、たくさんプロモーションをして収益拡大を目指すのもありですが、それ以外にも目的はさまざまです。
- 収益獲得のためのツールとして。
- 認知度や興味度高める集客ツールとして。
- 顧客接点を強化するツールとして。
目的によって、作る頻度や量、種類も異なります。
ちなみに私は、まずは身近な人に自分のイラストを知ってもらうための名刺代わりにする目的なので、今のところたくさん作るつもりはありません。新しいイラストが生まれた時に、マイペースに増やしていこうかな~と思っています。
以上で、LINEスタンプに関わるすべての説明は終わりです。
「LINEスタンプの制作ってかなり労力がかかるのに、1セットの収益が数十円。どれだけ売れるかもわからないのに、何のメリットがあるの?」
こう考えている過去の私のような人は結構いるのではないかな?と思います。
LINEスタンプの強みはなんといっても、「既に信頼関係のある人同士のコミュニケーションに使われること」だと思います。ものや情報があふれる現代において、LINEスタンプは集客ツールとしてとてもフィットしているように思います。
フリーランス、個人事業主、副業など、個人で仕事をされている方は是非、集客ツールの一つとして是非検討してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。