創造力UPのヒント

なぜつくるの?19人の創作する理由・目的をまとめてみた|一歩踏み出せない人へ

あなた
「何かものをつくりたいけど、あと一歩が踏み出せない。これまで作り続けてきたけど、スランプ状態になってしまって抜け出せない。」

こういった方向けの記事です。

つくるということは、楽しく刺激的である一方で、様々な不安がつきまとうものだと思います。

つくりたいけど、自分が満足するような作品ができなかったらどうしよう
つくりたいけど、誰に見せるわけでもない作品を作って何の意味が?
つくりたいけど、大したメッセージ性のない作品をつくっても意味がないんじゃないか?

初心者の方は一歩踏み出して創作活動を始めるため、スランプ状態の方はそこから抜け出して再び創作活動を始めるためには、この「つくりたいけど・・・」を超える必要があります。

ということでこの記事では、長く作り続けているアーティストたちの「あなたはなぜつくるのか?」という問いへの答えを参考図書から引用しつつ、私なりにまとめてみました。

これらの回答は、創作活動を踏みとどまらせる様々な不安を打破してくれるヒントだけではなく、つくるプロセスの中から臨める新たな景色をも垣間見せてくれるように感じました。これを読んでくださっている方がより豊かな創作活動をおくるための一助にしていただけると幸いです。

なお今回の記事は、『仕事や人生や未来について考えるときにアーティストが語ること―あなたはなぜつくるのですか?(野崎武夫=編)』から引用させていただいています。

本書の中には「なぜつくるのか」以外に、「なぜその道を進むのか」「その先に何が見えるか」「人生を変えたもの」といった問いへの興味深い回答もまとめられています。創作にのぞむための大きなヒントになると思うので、ご興味がある方はぜひ読んでみてください。それではご紹介していきます。

突き動かされる

なぜだかわからないけど、そうしなきゃいけない気がする。使命感ではない。だから何かをつくっている。

(谷口真人/美術家)

つくりたいからです。それと食べるため。

(須田悦弘/美術家)

つくることだけは手放してないから。つくりたいものやイメージはないのだけど、つくることから離れてはいけないという思いは消えずに続いている。「なぜそう思うのか?」と考えても、「そう思うから」という答えしか思い浮かばない。つくりたいという欲求が特別強いわけでもない。ただ、「つくること」だけは「必要なこと」として残っている。

(冨井大裕/美術家)

子供の頃から「つくって人に見せたい欲望のマグマ」みたいなものが僕の内部で燃えているからです。なぜ燃えてるか、いつか冷えるのか、本人にもよくわかりません。

(会田誠/美術家)

たぶんぼくは「つくる」という意味を深く考える前にその一歩を踏み出して、そのあとはどちらかといえば流されてきたような感じだ。だから「なぜつくるのか」という問いには正直、答えられない。「なぜつくるのか」と問う必要があるのならば、あなたはそれをやめて別の何かをはじめるべきだ。「つくる」という行為は、いつもと問いや分析の前にはじまっているのだから。

(田中功起/アーティスト)

新たな発見、新たな疑問や視点

「つくること」は、感覚的にも知的にも、とてもエキサイティングなことだからです。ある主題や手法と長く付き合い、洗練させ、深めていくこと。その洗練されたものを、ときにまったくちがう方向へ投げ出し、さまざまな実験を通して揺さぶりをかけ、新たな発見をすること。手を動かすなかで生じる展開と、理論的考察から得られる知見が、相互にフィードバックしながら織り目をなしていくプロセス。個人的な次元から生まれる作品を、社会や歴史というより大きな枠組みのなかへ組み込んでいくための検証作業。「つくること」のなかには、このような複雑な要素が立体的に絡み合いながら共存していて、それらはわたしにとって、すべて、とても刺激的なものです。何よりもそれに対する欲求や好奇心が、創作の根本にあるのだと思います。

(大山エンリコイサム/美術家)

いままでこれほどまでに、自分にしっくりと寄り添ってくれるものはありませんでした。写真に救われた気がしました。作品はつくればつくるほど、マトリョーシカの人形のように新しい疑問や視点が、次々と内側から無限に現れてきます。これからもつくりつづけるしかなさそうです。

(田中和人/アーティスト)

アイデアが予想外の形で発展して着地した時の驚きと、できたものを他の人と共有できたときの喜びがモチベーションになっていると思います。

(新津保建秀/写真家)

イメージを具現化する

自分のアイデアをかたちにして実現させることができるのは自分しかいません。だから手を動かします。まだ「見えないこと」や「触れられないこと」を「見えるもの」や「触れられるもの」にしたい。あるべき姿を探り出したい、そうした願いを実現させるために必要な労力は惜しまず制作に注ぎ込みます。アイデアと作品とのあいだにある、なかなか近づくくことのできない隙間が存在していることによって、私は突き動かされるのです。

(中谷ミチコ/彫刻家)

見たことのないイメージを見たいから。素晴らしい作品は、たとえば絵、写真、映画、ゲーム、アニメなどたくさんあるが、自分がもっとも見たい「見たことのないイメージ」は自分がつくることでしか見ることができない。

(梅沢和木/美術作家)

面白そうなことを思いつくからです。ふとこれは面白くなりそうだなだとあることを思いついて、それを作品にし、そしてそれを誰かに見せた時に、面白いと感じてくれたときの快感が作品制作を続けさせている原動力になっているのだと思います。

(和田淳/アニメーション作家)

目の前の問題や困難に対し「もっとこうなったらいいのに!」と理想の絵を描くこと。そしてなんとか実現できるように手を動かし、あるとき「できた!」と組みあがった瞬間、その閃光のような恍惚のために、私はただひたすら活動しているのでしょう。

(遠藤幹子/建築家)

居場所、生きる実感

世界が窮屈だなと感じた時に作品をつくっています。それは写真だったり文章だったりしますが、ボクの作品は世界へ対してのレジスタンスです。ボクが作品をつくることによって、世界が今より少しはマシになるんじゃないかと、心のどこかで信じています。

(小野博/写真家・作家)

僕の場合はあまり覇気がないというか気概がないというか、自分が社会に適応するには何かをつくっていくしかないな、というのがきっかけです。昔からものをつくることは好きだったんですが、好きなことしかできなくて世渡りが下手なんです。

(クワクボリョウタ/アーティスト)

生きることを実感するからだと思います。そして自分がやりたいこと、求められること、できることを探求しながら、たどり着いたのが、ファッションを表現することであり、今まだ僕が思うファッションを、世の中に伝えきれていないと思うからです。

(山縣良和/ファッションデザイナー)

まわりの「もの」や「出来事」がどうもしっくりこない。暮らしの生活環境や親しい人との関係性にも違和感があり、そのまま放置しとくと喘息が出たり、発疹がでたり、胃潰瘍になったり、カラダが拒否反応をおこす。だから「もの」も「出来事」も「関係性」もつくろうとするのかもしれません。

(藤浩志/美術館・十和田市現代美術館副館長)

意味や価値を世の中に提示する

いわゆる「つくる(=クラフト)」作業というよりは、「価値」を見つけてきて提示しているような感覚があります。その際には、なるべく世の中ですでに認められた価値よりも、まだ認められていないものを提示したり、価値がないと思われているものを扱ったり、すでに価値があると思われているものを疑ってみたり、そういうところを意識してやっています。新しい価値にハッと気がつけた時に、世界の見え方が更新されるようなダイナミズムがあるのではないかと思っています。

(エキソニモ/アーティスト)

日常や旅先で疑問や感動を感じ、それに対して自分なりに意味や価値を発見して、新しく伝え、提示したいと思っています。あとは、アートでもデザインでも何でもそうかもしれないけれど、自分がつくったものが、展示や本屋やネットなどを通じて社会へ出て行って、誰かの心を動かすことって本当に素晴らしいことだと思います。

(下道基行/美術家・写真家)

つくる時間、制作プロセス

つくる時間がたまらなくいい。「つくる時間」の痕跡としてつくった作業の量が目の前に拡がってゆくのは特にいい。「つくる時間」にいるということは、何かができるプロセスの途中にいるということ。何かができるプロセスにいるということは、完成に向かう期待や希望の時間にいるということ。そして何かをつくろうとしていると、まわりに何かを作りたい人が集まってくる。その人たちと過ごす時間がたまらなくいい。

(藤浩志/美術館・十和田市現代美術館副館長)

まとめ

以上でご紹介は終わります。

最後に少しだけ個人的な感想を書いてみます。

今回の記事は、目下スランプ中の私自身のためにまとめた内容でもあります。私は絵を描くのですが、イメージをうまく具現化できずにストレスを感じてしまい、スランプ状態に陥っているこの頃です。

ですが今回これらの言葉に出会ったことで、一つ気づいたことがあります。それは、「一つの目的や理由にこだわりすぎない」ということです。

私の場合、「イメージを具現化する」ことにこだわり過ぎて、「つくりたい」という衝動に従ってみるというシンプルさや、つくる時間を楽しむこと、つくる過程で得られる新たな発見や視点から学ぶことなどを忘れていたんだなと気づくことができました。

あなたはどのような感想を持ちましたか?共感する言葉を見つけたり、つくることの新たな魅力に気づくなど。創作意欲の刺激となるなんらかのヒントを受けとっていただけていたら嬉しいです^^

この記事は以上となります。最後までお読みいただき、どうもありがとうございます^^

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